4月に伊豆諸島の青ヶ島で調査を行いました。

9月に金沢大学で開催されました鳥学会で

ポスター発表いたしました。



青ヶ島の春のツバメ


ポスターの内容


タイトル
『小笠原諸島と伊豆諸島 ツバメの渡り調査2023
青ヶ島の春のツバメ


はじめに

私は、2018年の春から
小笠原諸島や伊豆諸島に飛来する
ツバメ(Hirundo rustica)の生態を
島民の方達と協力して調べている。
各島の観察記録をつなぐことで、
広い太平洋を越えて飛来するツバメの渡りを明らかにしたい。


目的

海上を長距離移動するツバメにとって、
島はエネルギーを補給するための中継地である。
春の渡りの場合、越冬地から北上してくるが、
青ヶ島ではツバメたちはどのような場所を
利用しているのだろうか。
その実態を探るために調査を行った。
 

調査方法 1  2018年から2022年までの5年間

ツバメの観察記録募集のお知らせのチラシを
船客待合室、島役場、ヘリポート、商店などに送付して、
島民や観光客から記録を集めた。

調査方法 2  2023年の春

2022年までの記録から、
4月中旬に数多く飛来することがわかっていたので
その時期に、青ヶ島を訪問した。
現地では徒歩とレンタカーで可能な限りツバメを探した。



結果

6年間の春の観察記録の合計と観察された場所 (表)

2018年から2022年までの5年間で、
24件、合計で150羽のツバメが観察された。
2023年の春は、
島民の記録と私の記録を合わせて、25件の観察記録があり、
合計羽数は175羽だった。


考察

ツバメは日中、森林の斜面や山の稜線の上空、
取水場周辺の草原周辺などで採餌をしていた。
日光により上昇気流が生じるような場所を
利用していると考えられた。
また、陽がしずむ時間帯に、地図で青く示したあたりで、
集団で飛行し採餌をしていた。
ツバメは夜は渡らないので、
島内でねぐらをとったと考えられた。


謝辞

この調査では旅行者やその島に住む人の
ツバメの観察記録を集めることが最も大切なことである。
2020年からはコロナ禍もあったなか、
日常の暮らしの中で得られた島民の方の観察記録は
ツバメの渡りを調べるために大変貴重であった。
青ヶ島村役場、小笠原海運、東海汽船、東邦航空、
宮城ヨーコさん、佐藤悠子さん、鈴木秀歩さん、小林みどりさん、
伊藤舜さん、高木健雄さん、藤井智久さん、
特に荒井智史さん、角田崇史さんの両氏には大変お世話になった。
心からお礼を申し上げます。(敬称略、順不同)

この調査はバードリサーチ調査研究支援プロジェクトの
2017年度2018年度2020年度の支援と、
公益受託サントリー愛鳥基金の2020年度の助成をうけたもので、
継続して調査を行っています。

 


 



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