『小笠原諸島〜伊豆諸島 ツバメの渡り調査』の代表

重原 美智子

Michiko Shigehara

プロフィール

『小笠原諸島〜伊豆諸島 ツバメの渡り調査』の代表で、
鳥の絵を描くイラストレーターです。
http://michiko-shigehara.art.coocan.jp/

こどものときに十姉妹や文鳥を飼育したことがきっかけで、
鳥が好きになりました。
絵を描くことも好きで、金沢美術工芸大学を卒業後、
働きながら東京港野鳥公園で、ボランティア活動をしました。
大都市の真ん中で、
たくさんの種類の野鳥たちが暮らしていることに
深い感銘をうけました。

やがて、日本野鳥の会の発行物や、
鳥類学者の樋口広芳先生のご著書に絵を描くようになりました。
日本野鳥の会研究センターとの仕事では、
鳥の生息環境モニタリング調査について実際に調査方法を検証しながら
調査のガイドブックを作成する仕事をしました。
イラストやレイアウトを担当したこのガイドブックは
環境省のモニタリングサイト1000
森林草原の鳥類調査のマニュアルとして
いまも調査に使用されています。



鳥の渡り

1995年に、日本野鳥の会と、NHK、 NECなどがおこなった、
アネハヅルの衛星追跡のボランティアの調査員として、
モンゴル西部のホブドへ行きました。
このときに発信器を装着したツルは、
ヒマラヤ山脈を越えて、インドへ到着しました。
私たちの調査は、
アネハヅルがヒマラヤを越えることを証明したのです。
わたしはこのことがきっかけで渡り鳥にさらに興味をもちました。

ある時、ツバメがアホウドリの繁殖地である伊豆の鳥島で
観察されることを知って、大変驚きました。
鳥島は、伊豆諸島の南から2番目の島、
小笠原諸島との間にある島。
絶海の孤島の火山島で、
エサとなる虫などいなさそうな島だからです。

わたしは、伊豆諸島や小笠原諸島で
鳥の研究をしている何人かの鳥類学者たちに、
ツバメは渡っているのかどうかをお聞きしましたが、
はっきりしたことはわかりませんでした。

渡っているかもしれない、という意見と、
ツバメには無理だろう、迷鳥だろう、という意見があったのです。

わたしは、鳥島のツバメは渡っていると思いました。
小さな小鳥だって大海原を渡るかもしれないと
思ったのです。


ツバメについて

なにはともあれ、
どのように島にツバメがやってくるのか、
実際に見てみようと小笠原にツバメの観察に行きました。
2016年の春、母島と父島で、ひとりでカウント調査をしました。
ツバメがやって来そうな場所を地元の方に聞いて、
見晴らしいい所で海の方を向いて
ひたすら待って、ツバメが来たらノートに
時刻と羽数を記録しました。

母島でも父島でも、4月の中旬、
1羽から3羽くらいのツバメが、
海から島に向かって飛来してくるのを観察することができました。
ツバメは、確かに海から飛来しているのです。
では、どこから?

環境省が山階鳥類研究所に委託して行っている鳥類標識調査で、
日本国内で放鳥されたツバメはフィリピン、
インドネシア、マレーシア、インドネシアなどの
東南アジアで越冬していることが明らかにされていますが、
小笠原や伊豆諸島ではまだ標識されたツバメは回収されていないので、
どこから飛来したのかなどは不明です。


鳥をしらべることに参加する意義

日本では、
鳥類の繁殖地や生息地をしらべる全国規模の基礎調査が
1970年代と1990年代にほぼ20年おきに行われています。
2010年代は、バードリサーチが中心となって、
全国鳥類繁殖分布 調査調査が行われていて、
2019年現在、調査や解析が進行中です。

この調査は日本の自然を記録する重要な調査です。
90年代に私自身が調査員として参加したことが記録として残っていて、
個人的な20年以上の前の調査の記憶が蘇ったばかりではなく、
客観的に自分の住んでいる地域や知っている場所の
環境の変化を知ることができました。

私たちが、道路建設や干潟の埋め立てなどで、環境問題に直面したときに、
この調査は、鳥が増えているのか減っているのかを
科学的に証明出来る貴重なデータになるのです。
2017年の春の調査では、全国よりもさらに詳しいメッシュで調べる
東京都 鳥類繁殖分布調査に参加しました。

渡って来たツバメたちを観察できるかもしれないと考えて、
わたしが参加する調査地に、
伊豆諸島の八丈島をえらびました。
うれしいことに
八丈島では数羽のツバメを観察することができました。

このツバメは何処からやって来たのだろうか?
元気にびゅんびゅん飛んでいる様子を観察して、
このツバメたちは決して迷鳥ではなくて、
これから繁殖地へ向かうという目的をもった
旅の途中の渡り鳥だと感じました。


『小笠原諸島〜伊豆諸島 ツバメの渡り調査』をはじめる

全国鳥類繁殖分布調査調査東京都鳥類繁殖分布調査
懇親会の席で、
一緒に調査を行った野鳥の会の人、バードリサーチの人が
今回の調査をつうじて
島の人たちとネットワークもできたから
みんなで協力したら、
重原さんが知りたいことがわかるのではないの?
とアイデアをだしてくださいました。

そんなことできるだろうか?
観察記録は集まるだろうか?

心配無用でした。
調査への参加を呼びかけたところ
たくさんの島の人たちが観察記録を送って下さいました。
2018年の調査では、
皆さんからいただいた観察記録から、
ツバメは南から渡って来て
島伝いに北上しているようだ

というところまで明らかに出来ました!
もっとくわしく調べたい、、!

2019年も調査を行うことに決めました。


参加者、募集中!

たくさんの観察記録があつまれば、
さらにくわしくツバメの生態が明らかに出来ます。

ただ、ツバメの生態を知りたいという気持ちだけで
始めた調査ですが、
ツバメの生態が、何かの役に立つのかどうかはわかりません。
でももし、パラオやニューギニアあたりから
小笠原へ、伊豆諸島へ、日本へ、
ツバメが渡って来ていることがわかったら、
わたしはとてもうれしい。

ひとりではぜったい明らかにできないこと。
たくさんの人がツバメに興味を持って協力してくださってはじめて出来る調査。
島で、ツバメを見かけたら、
いつ、どこで、だれが、何羽、どのように、を記録してください。
それを集めて分析するだけで、
ワクワクするようなことがわかるのです。

ツバメを見かけたら、ぜひ連絡をください。
また、過去の記録もお持ちでしたらぜひお送りください。


1、いつ
2、どこで
3、何羽
4、だれが
5、どのように


とくに、1、2、3がデータとして重要です。
お名前は、連絡して下さったかたの許可なく公表することはありません。
5もわかる範囲で結構です。
出来たら写真があると嬉しいです。



oga.izu.swallow@gmail.com

重原美智子



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